1849年10月16日深夜、パリの中心部にあるヴァンドーム広場12番地のアパルトマンでピアノの詩人と呼ばれた音楽家“ショパン”は病の床に伏せながら、最期の夢をみる。 ショパンの意識は現実世界を離れ、おとぎ話に聞くような不思議な世界に足を踏み下ろした。 そこでは現実世界と同じように、人々がありふれた日常を様々な感情を抱きながら、当たり前のように生きていた。 唯ひとつ違ったことは、夢の世界において不治の病に侵された者は、その副作用として魔法の力が宿ること。 現実世界で病床にあるショパンもまた、魔法を使うことができた。夢の中でも、彼の体は病に蝕まれていたのだ。 その皮肉もあって、ショパンは夢の世界を客観的に捉えていた。 ここにあるものすべては、自分が作り出した幻に過ぎないのだと… だが、病に侵されながらも運命を受け入れ、懸命に生きようとするひとりの少女“ポルカ”がショパンの考えを少しずつ変化させて行く。 誰もが心の中に持つとされ、綺麗な信じる心を反映して輝く「トラスティ」という宝石。 この「トラスティ」の輝きが強すぎるため、少女はさらに過酷な運命へと誘われてゆくことになる。 そんな運命に抗い、必死で彼女を救おうとする少年“アレグレット”。 運命に従う少女と逆らう少年、そして夢と現実。 相反する2つの事象が絡み合うとき、運命の歯車は静かに逆転を始める――
ポーランドの音楽家。 1810年にポーランドの首都ワルシャワ郊外のジェラゾヴァ・ヴォラに生まれ、1849年パリに没した。 優れた作曲家として、またすばらしきピアニストとして有名である。 作曲のほとんどをピアノ独奏曲が占め、またそれまでの作曲家に見られない繊細かつきらびやかな音の使用でピアノの詩人とも呼ばれ、初期ロマン派を代表する作曲家である。今日でもノクターンやワルツなどが世界で知られている。 代表曲には「24の前奏曲集」、「幻想曲」、「別れの曲」、「バラード第4番」、「子犬のワルツ」、「英雄ポロネーズ」、「舟歌」、「練習曲集」、「前奏曲集」などがある。
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